夏の日
中村葵
17歳のころ 遠い夏の日
世界はきらきらと輝いていて
呼吸をするたびに甘く苦しかった
私の辞書は日々更新され
新しい出会いを貪るように消費した
咀嚼も消化も追いつかなかった
時を経て、夢から覚めて
辞書を読み返しても
水平線の彼方 波の音 遠い青空
貴方の瞳の叫ぶ声
硝子越しに思い出すその光景に
相応しい言葉はまだ見つからない
自由詩
夏の日
Copyright
中村葵
2014-01-05 18:19:32