地球をひとまわりして
栗山透
考えていると
ますます深みに嵌っていく
どんな抵抗もできない
目の前に広がる赤や白の地球を
呆然と眺めているしかない
冬の夜空には月が見えるかもしれない
なにも見えないかもしれない
でもこの深みを手放したくない
ここで沈んでいく意味を識っているから
それは遥か昔に見た
淡い記憶の欠片に似ている
広くて終わりなんてないように見えた
どこまでも進んでいけると思った
地球をひとまわりして
家に帰れると思っていた
自由詩
地球をひとまわりして
Copyright
栗山透
2014-01-04 02:10:37