サンディエゴ
花形新次

食事をした

丘の上にある
小さな食堂だった
チキンを注文した
他の客が
代わる代わる
こちらを見るのが分かった
東洋人が珍しいのかと思った
店員含め
女は一人もいなかった
ほとんどが口髭を生やしていた
危険だな
本能がそう感じさせた
チキンが運ばれてきた
ウエイターがニヤリと笑った
来なければ良かったと思った
でも帰れなかった
チキン野郎と呼ばれるのが
嫌なわけではなかった
帰ってしまうには
カリフォルニアの空は
青すぎた



自由詩 サンディエゴ Copyright 花形新次 2013-12-31 18:57:24
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