佳日行
織部桐二郎

朝霧をわけてさまよふ黒き森
みれんの心花と咲きたり


都めぐる大路にあまた車なめて
君と見しかな百合の聖像


夕さればリラかをりたつ楽堂に
終はらざらましいにしへの曲


紅薔薇の苑生につどふ乙女子の
うたふ声音のいとも清らに

綺羅星に菩提樹かをる荘園を
君ともとほるひとときの夢


頌栄に虹の彩なす君が面
都をわたる川風のなか



短歌 佳日行 Copyright 織部桐二郎 2013-12-29 06:31:30
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