越年
イナエ


どんなに騒いでいても
静かに眠っていても
来るものはくるのだ

 小川一本の県境
 だからといって
 
 天候が
 変わるわけでもないのに
 天気予報は変わる

 水の性質が
 変わるわけでもないのに
 水道料金が変わる

 人の姿形が
 変わるわけでもないのに
 アクセントが変わる 
 
 ことを知ったのは最近だが

午前零時を境に
人の暮らしが
変わるわけでもない
けれども‥‥

                  「蕊」45号から


自由詩 越年 Copyright イナエ 2013-12-27 08:56:42
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