花言葉は知らない
もっぷ

花言葉は知らない
知らないで選びました
ほかには浮かばなかった
記憶のなかでそれは相応しく

焼べられて、もう
枯れることのない思い出となって
ひとり泣くだけの十二月に
その棘すらもいとおしく

甦るんです
ごめんなさいという
どうしても無駄と諦めきれない

伝えたい
謝罪とともに
本当はその瞬間、の直前に

ありがとうと
耳元でささやくことが
とても
肝心だったのだと

あとで知りました
後悔は増えてゆくばかり
まるで北国に
絶え間なく

絶え間なく降る
白雪のごとく
雪は積もるけれど

融けますね
春の訪れです
わたしは春に生まれました

好きな季節です
老いてゆくことは
ちっとも怖くはありません
今夜は少し

嘘を言わせてください
真実は「花言葉は知らない」ままに
これからも生きてゆきたい
想いに他者が介在するかのようで

澄んだ湖の漣のように
生き続ける日々をと
かつても、そしてあしたにも

願いと希望を託せるような
白い薔薇三十本の残影
、もう眠いので

おやすみなさい
夢で会えたら

会いたい



自由詩 花言葉は知らない Copyright もっぷ 2013-12-26 12:06:22
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