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葉leaf

労働など土に比べたら動きに過ぎない 土など大気に比べたら固体に過ぎない 大気など未来に比べたら現在に過ぎない そのような現在の中で労働は時間の痕跡を作り 同一であるために費やされる非同一的なものの為に 人間の肉体は限りなく分泌されていき いつの間にか土の中に染み込んでしまうだろう

冬の冷たい光が薬品のように流れていくとき 土にスコップを差し込んで樹を植える 過去がこんな風に遺失されましたよ 忘却の証のように樹を植える 樹は真夏の澄んだ太陽のもと この光のようにつめたい葉を茂らせ つめたい実を生らせるのだ 斜めの大気を浴びながら どこまでもまっすぐ伸びていけ

秋と冬の間に放たれて 名前のない不変の季節に体を置いていると そんな静かな均衡の上で覚醒していたら 知らぬ間に雪が降り霜が降り 季節は冬という名前と変化を再びもたらしてしまった 何も変わらない自然に包まれ 何も変わらない僕が居て そんな幸せの中で無限に開けていきたいのに叶わない

古い人種はいつでもどこか寂しそう。自分の信じていた原理で全力投球してももはや満足した応答が返ってこなくなってしまった人種。それでも自分を時代にうまく添わせるにはそれまでの蓄積が足枷となってしまう人種。いわれもなく敵視され乗り越えるべき対象とされてしまう人種。古い人種は私でもある。


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2013-12-25 15:44:17
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