エーテル 2
草野春心



  焼き上げたばかりのロールパンを 手早く皿に移し
  純白のシルク地のカーテンに 挨拶するみたいに軽く触れ
  彼女は朝日を一番たっぷりと浴びることのできる席についた
  だがそれは彼女がそこにいることを意味してはいない
  その日の予定を頭の中でザッピングした後やがて
  牛乳をとりに冷蔵庫へと向かう途中くらいには 彼女自身もそのことに気づく
  それもまた、彼女がそこにいることを意味してはいないのだが




自由詩 エーテル 2 Copyright 草野春心 2013-12-24 00:49:43
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