波紋
寒雪
辿り着いた池のほとり
意思を持たない右手から
水面に投げ出された小石
水の中に溶け込んでいくよ
等間隔に水の輪が
口を大きく広げて
幾重にも時の許す限り
連なっては消えていくよ
なんとなくおかしくなって
二個目の石を
輪っかのすぐそばに
そのつもりもなく投げ入れる
さっきよりも大きくなった
水の輪が古い輪を
飲み込もうと力強く
ぶつかっては消えていくよ
そんなつもりじゃなかった
ひとりごちて
ぬかるみにひざまづく
涙が遅れて溢れ出してきた
自由詩
波紋
Copyright
寒雪
2013-12-21 16:16:31
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