少年少女と世界や株価
吉岡ペペロ

メルセデスで旅をする

日本中の商店街を夜走る

よこには地元の少年少女を乗せている

車内にはマクドナルドの匂いがこもっている

彼らには金を与えている

こっちは彼らの会話を聞いている

あたまのなかでは株のことを考えている

ホテルに戻ったらニューヨークのそれを見るのだ

彼らには酒は与えない

最高のメルセデスで商店街を走るだけだ

あたまのなかでシミュレーションする

シャッターがばりばりと音を立てる

数字と決断を確信する

少年少女は馬鹿ではない

少年少女は賢くもない

それは世界や株価に似ている

誰かが意図的に操作はできる

しかしその後のことは誰にも分からない








自由詩 少年少女と世界や株価 Copyright 吉岡ペペロ 2013-12-20 21:52:46
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