少年少女と世界や株価
吉岡ペペロ
メルセデスで旅をする
日本中の商店街を夜走る
よこには地元の少年少女を乗せている
車内にはマクドナルドの匂いがこもっている
彼らには金を与えている
こっちは彼らの会話を聞いている
あたまのなかでは株のことを考えている
ホテルに戻ったらニューヨークのそれを見るのだ
彼らには酒は与えない
最高のメルセデスで商店街を走るだけだ
あたまのなかでシミュレーションする
シャッターがばりばりと音を立てる
数字と決断を確信する
少年少女は馬鹿ではない
少年少女は賢くもない
それは世界や株価に似ている
誰かが意図的に操作はできる
しかしその後のことは誰にも分からない