大きくなった君へ
桜 歩美

とうとう視線が私の上になった君

私と背比べをするときにしゃがんで笑みを作る

肩幅も広くなってすごく足もしっかりしてて

そんなに私と背が変わるわけじゃないのに

どうしてこんなに男の子って大きく見えるんだろう


大好きで大好きで抱っこばかりしていたよ

可愛くてねんねの時はいっつも添い寝しながら一緒に寝ちゃった

夜泣きは辛かったし一緒に泣いた夜もいっぱいあったよ

育児は大変で辛かったことが多かったけど

それでも自分の子供がいるってなんて幸せなことなんだって

何度君の小さな手を握って感動したことだろう


この子はなかなかしゃべらない

そう心配した一年があった

翌年には怒涛のようにおしゃべりになって

あの心配はなんだったのって笑い話になったよ

小学生になった時遠くの保育園に通っていた君に

誰も知ってるお友達がいなくって

ちゃんと馴染めるかと心底心配した

いろいろあったけどちゃんと友達をみつけて楽しい小学校生活を送って

中学生になった今毎日小学校の卒業アルバムを見ているね


無事にここまで大きくなってくれてありがとう

ただそれだけでお母さんは胸がいっぱい

背を追い越されたこと

靴のサイズがお父さんより大きいこと

なつっこい君が私にだけぶっきらぼうにしゃべるようになったこと

女の子の話は一切しなくなったこと

自分の部屋が好きになったこと

一緒に寝なくても大丈夫にいつの間にかなっていたこと


子供って自分の力でどんどん成長していくんだって

君は教えてくれた

私の力は微力なもので

本当にただ見守ることしか出来ずに

きちんとしたしつけだって出来てないと思う

だけど君は私やお父さんの背中を見て

してはいけないことを学んでいる

どんなふうにしたら好かれるのか

どんなことが嫌われるのか

どんな言葉づかいをすればいいのか

すべてを君は毎日の生活から学んだ

君の力でいろいろを学んだんだよ


自分の力を信じて

自分のことを好きでいて

ずっとそうして自分を大切にして

そしていつか君が愛する誰かを自分よりもっと愛してあげるんだよ

大切にしてあげるんだよ

優しく大切にしてあげるんだよ


そういう君で在って欲しい

それが今のお母さんの願いだよ

そういう君で在れるように

お母さんも頑張ります

毎日を一生けん命生きようと思います

大切な人を大切に出来る人であるように頑張ります


大きくなった君へ

お母さんより


自由詩 大きくなった君へ Copyright 桜 歩美 2013-12-19 21:14:55
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