ポケットに現代詩
左屋百色

君の手のひらに
朝と闇と夕暮れと夜があるから
私はそれについて詩をかきます
遠くにある悲しみと喜びは
誰の手のひらサイズでもない
君の詩をよんでよみ返して
それがわかったのです
いつも窓の外で風が吹く度に
誰かが私を呼んでいる気がしたのは
朝のひかりによる
君の言葉だったのです

世界が100人でも
50人でも3人でも2人でも
手をつなげない時
君の青と赤がシンクロする時
闇に埋れた虹色
その手でつかみとり
私に届くように
投げつけて下さい

夕暮れは
巨大な楽譜となり
私の口笛を風に乗せ
響かせる
それが
たとえどんなにありふれていても
一切かまわない
この現代詩
君に届け

夜になれば
赤が青に散って
君の手のひらに
ちょうどいいサイズ




自由詩 ポケットに現代詩 Copyright 左屋百色 2013-12-19 15:53:33
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