スペースキャプテン2
……とある蛙

その昔
俺は 宇宙の中を飛び回っていた。
織り姫に懸想して、彦星から追われもし、
白鳥の首根っこも押さえもしたし、
ペテルギュウスのおならも嗅いだ。
オリオンの楯を盗んだり
カシオペアの辺りを行ったり来たり
でも
結局今は女房子供に囲まれて
この地球で親父になった。

昔はたくさん星屑を集めて
アフロディーテにプレゼントしたり
マルスやバッカスと
酔っぱらって殴り合いの喧嘩もした。

しかし、
記憶の始めと終わりはあっけないもので
それをたくさんを宇宙船に詰め込んだつもりだったが
実はほんの僅かしか積んでいなくって、
残ったのは宇宙の塵のような物だった。

だけど死ぬまで星達と一緒だ
だけど死ぬまで星達と一緒だ。

あいつらに俺は見えないけど
俺は宙(そら)を見上げるだけであいつらが見える。

だから死ぬまであいつらと一緒だ
だから死ぬまであいつらと一緒だ。


自由詩 スペースキャプテン2 Copyright ……とある蛙 2013-12-18 10:49:09
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