長寿
subaru★


この思い出せないものは
おぼろに揺れて
この肌と共に老いていく

老いた幹に
傷が付くと言う事も
その痛みも遠のいて

一見の新芽を褒めては
少し背伸びする若造を
少し微笑みながら見守る

我の顔の線が
段々と増えていく
記憶は すり減っていくのに
面白いものだ

古参の顔立ちを真似て
輪に溶け込もうとする
可愛げのある新芽よ

嵐に摘まれるな
そんな生意気さが
大きな活力になるんだよ

風で流した筈の
水泡が
中々消えずに
私の目元で踊っている


自由詩 長寿 Copyright subaru★ 2013-12-17 12:20:07
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
十二月のうた