乱太郎


時計の一秒ごと刻む音が心臓と共鳴する
進んでいるのは過去の堆積
動いていない僕の胴体を切り刻む

未来は音を編んでくれるだろうか
帰納法を後ろ盾に布団を被り
証明書のない契約に親指を赤く転がしてみる

夢見る契約はもう間もなく始まり
音は静かに僕の眼に催眠術を披露するだろう
千切れ千切れの過去の断片を
適当に繋いでみせる大道芸に我を忘れて
朝までタイムスリップ

音は起きているのか
真っ先に尋ねて
犬の散歩のお供にしたいと思っている




自由詩Copyright 乱太郎 2013-12-13 16:31:05
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