草野春心



  土管のうえに猫がととのっている
  紋白蝶はさえずりのように風にふくらんで
  もはや言葉の色はしていない



  捨て去られた、黒い缶コーヒー
  夕空に向けて屹立している
  わたしは ただ歩いているわけではなく
  鋭い鉈によって、何かから切り落とされたばかりだ





自由詩Copyright 草野春心 2013-12-12 22:46:30
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
短詩集