海月
愛心

笑えなくなったのは いつからだっけ
顔の表情っていっぱいあんだって
気づいたら五本の指で数えられて

あらあらあらあら 寂しいなんて
「カワイソウ」なんて ああ くだらない

覚えてないの、うんと、えっと、あの、その
言葉突き付ける 39口径リボルバー
撃ち抜いて 壱 弐 参 の合図で
心とか 愛とか この身体ごと
あんたのその手でクラッシュさせて

歌えなくなったのはいつからだっけ
「ヒト」って音楽がすきなんだって
気づいたら声すら出なくなって

まあまあまあまあ 悲しいなんて
「ダイジョウブ?」なんて ああ くだらない

覚えてないの、うんと、えっと、あの、その
感情突き付ける 39口径リボルバー
貫いて 「42たい」の合図で
心とか 愛とか 頭蓋の真ん中で
あんたのことを 声なく歌うんだ

笑えなくなったのは いつからだっけ
顔の表情っていっぱいあんだって
気づいたら五本の指で数えられて

歌えなくなったのはいつからだっけ
「ヒト」って音楽がすきなんだって
気づいたら声すら出なくなって

満たされないまま 時だけが過ぎてって
涙の海に ぷかぷか揺られて
このまま溺れちゃってもいいかな なんて

届かない 聞こえない 理解も認めもされはしない
ひとりぼっちで 海月みたいに
毒に侵された身体は 寂しくて

それでも呼吸だけは求めてんだ

存在する意味なんて知らないんだって
存在する必要もないんだって
分かりきったことだって
ずっと前から知ってたのに

それでも呼吸だけは求めてんだ

それでも呼吸だけは求めてんだ


自由詩 海月 Copyright 愛心 2013-12-11 23:46:06
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