思いの丈
桜 歩美


ただ子供のことを思うだけで
いろいろな将来のことが不安になって
そうして生きていることさえ虚しくなる
誰がそんな思いを受け止めてくれるのか

生きているということを喜びと思えるように
子供に教えてあげたいけれど
テレビをつければ不安な要素の話ばかり
誰がそれを子供にうまく説明出来るのか

正直すぎる私には息子に嘘をつけない
だから将来が本当に不安になる息子は
「夢は捨てる」と言った
こんなに経済が上を向いているように思えるのに
ただ一緒にニュースを見ているだけで
「夢はない」と言って放つ息子
若い青年が夢はないという
そんな世の中に夢は本当にないんだ

夢を見ることが出来ない現代に
人々は何を思うのか
これからどうやって生きていけば
虚しさは報われるのか
誰か教えてほしい

偽りの正義はいらない
正しい言葉が欲しい
将来に絶望したり諦めながら生きていくのは
本当に虚しいものだ


自由詩 思いの丈 Copyright 桜 歩美 2013-12-10 11:46:23
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