リザ
マーブル


リザの朱い唇が震えて 
ガラスの森ができた 
雪の降る音がするんだと言っていた
それはしゃぼん玉が割れるような音で 
十字架にキスをする温度のようだとも言っていた  
アフタヌーンティー飲んだら 
そこへゆこう 
黒いハット帽が肩を抱いてそうささやく 



茶色い車が通り過ぎ去って 
大げさにクラクションを響き鳴らす
その大通りでリザは口紅を無くした
そんなギンガムチェックの気持ち
残したまま 先を急いでいる リザ!


あいしているから あいしているは 言わないのっていうの


小瓶に涙を溜めて
海へ還す映画を観たら
リザはそれを
バカにしていたけれど
香水をいれるよりはましだと思っているのを
自分自身で知っている


急にかなしくなって
リザはコートを羽織って街をほっつき歩いた
夜に飛ぶ飛行機の音を聞くと
リザはなぜかうれしくなった




あいしているから あいしているは 言えないというの


あからさまに踊ってみせる ハートには矢が刺さっていて いつまでも抜けない


あいしているから あいしているは 言わないというの
そういった途端




リザの朱い唇が震えて




ガラスの森ができた














 



自由詩 リザ Copyright マーブル 2013-12-10 03:11:41
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