演歌詩 — 「雪しぐれ」
月乃助
はじめは、
つねの細雪
里がつきる雪の原
月あかりが
白い影をひく
素足の人待ちすがたは、
女夜叉
夜めにも妖しい
うつくしさ
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凍てつくつぼみの 小夜衣
冬の肌の つめたさに、
知らぬ誰かが、残り香は
あなたの背に 爪をたて
愉楽の波に 身をまかす
指をかみ 乱れ髪 追いかける雪の群れ
のぼりつめ 揺れまどう
瞳の影に あらがう躯は、火の粉をちらす
いっそ三途のはてまでも あなたの腕に
とこ夜を舞い願い そこは浄土の
雪しぐれ
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嘘のことばを ききたくて
夜の終わりを 恨んでは
吐息の透さを 確かめながら
せめぐあなたを 憎めたら
心のやいばに きいてみる
月うさぎ 雲隠れ 心のうちに雪がふる
焚きしむ炎の 闇のさき
黎明の戸をひらく 鳥の音に 浅い眠りが、尽きるなら
目を閉じたまま あんたに、涙をみしゃしない
とこ夜を舞い願い そこは後世の
雪しぐれ