吊り橋
まーつん

 あなたは昨日、
 つめたかった。

 やわらかい刃物で、
 切られた気がした
 血も流れないのに
 いたくて、いたくて。

 あなたは今日、
 やさしかった。

 その笑顔は
 架け橋のように
 ふたりの間に渡されて、

 ぼくは、恐る、恐る
 歩いていったんだ
 谷底を見ないようにして。


 風が吹いている
 足元を掬われる

 それでも、
 ゆっくりと進む

 揺れる吊り橋の上を



 (2013.12.7)


自由詩 吊り橋 Copyright まーつん 2013-12-07 19:49:23
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