ふと思い出して私は、引き出しから昔書いた日記を取り出してパラパラ
とめくっていました。すると、付箋がしてあるページがあり、そこには
こんなことが書いてありました。
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町の掲示板に、「知らない顔に辞書を引いて待ち、先生は焦り落ち子を
指指す」と書いてあります。
気づくと、川沿いの高速道路は詰まって中心が壊死を起こしていて、テ
レビの渋滞情報を伝えるアナウンサーは白目を剥き、泡を吹いて死んで
いました。
子供が新聞を読んで、戦争が始まるね、と戦争の生き残りの祖父に言い
二人して泣いたような物語があります。世界で一番使用されているショ
ッピングサイトにてセール中です。
ある日、痛い痛い土踏まずの傷を気にしながら歩いていますと、街一番
の腕利きである靴磨きのおじさんがおりまして私に手招きをしました。
あんたその足の裏怪我してるでしょ。とおじさんはニヤリと笑いながら
足元を指差し、私に言います。そのおじさんがニヤリと口角を上げた瞬
間、前々から75度ほど傾いていた電柱がバリバリと音を立てておじさん
に落ちてしまいました。よく手入れされた自慢の商売道具も道具箱ごと
潰れました。
もちろん、おじさんは三分の一ほどのサイズになり、三日月のようなマ
ークのスポーツメーカー製の白いジャージは表参道に店を持つ有名なゲ
イのファッションデザイナーが喉から手が出るほどに見事な赤に染まっ
ています。
突然のことで、私は恥ずかしながら叫び声をあげてしまいました。ただ
今だから告白しますが怖いから叫んだのではありません。昔みたサーカ
スと古い戦争映画を思い出して私は無意識に笑っていたのです。
遠くからサイレンが聞こえてきました。なぜか近くのベンチに座ってい
る子供とおじいさんが二人して泣いています。
それは、戦争が始まる前の日の話しです。
《劣の足掻きより:
http://mi-ni-ma-lism.seesaa.net/》