sweet nightmare
itukamitaniji

sweet nightmare

僕はずぶずぶ沈んでゆく 底のない記憶の海を深く深く
灯りは遠ざかっていって ついに完全に見えなくなった
何時間か それとも1秒にも満たなかったかもしれない
どのくらいか時間が経って 気がつけば僕はそこに立っていた

またあの悪夢だ そうやってすぐ気付けるようになっていた
それはかつてはただ 夢と呼んでいた景色だった


いつものようにドラマが始まる 巻き戻された世界で
みんな元に戻ってゆく 僕だけをそのまま残して
叶わなくなった今じゃ ただの嫌がらせにしか過ぎない
現実ではもう思い出すことすらできない 笑顔の君が立っていた

君の口が動く ずっと言ってもらいたかった言葉を吐いてる
あの時に僕が欲しかった言葉を もう今は何も意味を成さない


僕は望んでいるの?
それとも忘れようとしているの?
君は望んでいるの?
それとも忘れようとしているの?

君の顔が泣き顔に変わる 見たくなくて僕は顔を伏せている
君の口が動いている 聞きたくない言葉を何度も吐いている

ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね
ごめんね

って






僕はずぶずぶ沈んでいく 底のない記憶の海を深く深く

またいつもの悪夢だ きっとそうだ、そうに違いない


自由詩 sweet nightmare Copyright itukamitaniji 2013-12-06 01:31:05
notebook Home