現代詩バスターズ2
左屋百色

その日、
ギターの弦が切れる音がした
薄暗く窓のない部屋で
大爆発と同時に
詩人は確かにその音を聞いた
しかしその音は
自分の頸動脈が切れた音であった









現代詩バスターズ2









早朝の静けさの中
昨夜、現代詩モンスターズの秘密基地に
仕掛けられた現代詩爆弾は
基地周辺の建物までも破壊した
改めて言葉の威力の凄まじさに
仕掛けた散文スプラッターズ自身も
震え上がった
砕けた言葉の先端が体中に突き刺さり
現代詩モンスターズの
ほとんどの詩人は即死した

生き残った現代詩モンスターズは
3人だけとなり残り少ない現代詩を
地下に埋め新たに秘密基地をつくり
そこで今後の作戦会議を開いた
その頃、
現代詩バスターズは
短歌キューブリックスと
俳句コレクターズと同盟して
さらに巨大な組織となっていた

散文スプラッターズの中に
スパイとして潜り込んでいた
現代詩モンスターズの詩人が
盗聴器を仕掛け散文を盗みそのまま逃走
だがジャケットの内側に仕込まれていた
超小型現代詩爆弾がパチっと
鳥のまばたきよりも繊細な音を立て
爆発した
詩人の体も散文も粉々に砕け散った

それを雑居ビルの屋上から
川柳ストーンズが眺めていた


自由詩 現代詩バスターズ2 Copyright 左屋百色 2013-12-05 23:15:36
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