あした
白雨

あしたあしたあした
遠くで木霊する
届かない 汽笛
むなしい響き
どこまでも裏へと廻りつづける
騙しの船 煽りの航海
工夫と労働
駆動して前進する機械
跳躍するいのちの冷やかさ
身投げの準備と失敗
欄干の乙女にからみつく
潮の花びら

‐それは、
うしろ、うしろ、うしろ
陸からおとずれる過去のセンチメンタル
記憶と記録
遠くで叫ぶ
たましいのおとのきらめき

思いとどまってうしろをむく
どこまでもうしろをむく
そして、
うしろに向かって叫んでみる

あした、あした、あした、あした
あした、あした、あした、あした
あした、あした


自由詩 あした Copyright 白雨 2013-12-02 18:27:03
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