絵筆
はるな


寝息もかたちを持つ生々しい夜に
生きていることははずかしかった
熱と湿りを帯びるからだが
その振動や重みが

やがて夜の裾がめくれはじめ
青と赤が互いを超える
はじまりとおわりを混ぜる絵筆を探しながら
爪あとのように境界を残したかった
か弱く白く、ただし途切れずに
そのためにはいちばん
かわいている必要があった



自由詩 絵筆 Copyright はるな 2013-12-01 02:27:58
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