早池峰山(はやちねさん)
……とある蛙


山の神舞 蝦夷神の生き残り
桓武天皇の御世
たいらげられた蝦夷の神
  
神社(やしろ)は倭の神の依り代のため
彼らは神社(やしろ)を知らなくて
ご神体ははやちねさん
早池峰神社の鳥の舞
服属の証の悲しい踊り
突然、古事記が持ち出され

また悲しい物語

河童の悲しい物語
松崎村の川端は
二代続けて河童の子
切り刻んで川へ捨て

間引きの悲しいこじつけは
三歳(みとせ)に襲う飢饉のため
産土神(うぶすながみ)は恵みの神
しかし、刻まれ川に捨てられ

遠野の谷に生まれた霧は
次第次第に頂きまでいたる
霧に包まれ心も上り、
晴れた後の頂きに
心の忘れ物が多くなる



願わくは神を語りて
平地(ひらち)の人を戦慄せしめよ
願わくはこれを語りて
山の神舞を蘇らせよ


自由詩 早池峰山(はやちねさん) Copyright ……とある蛙 2013-11-30 18:31:27
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