3つの無題
青色銀河団

*

少女からはみでている
魂のゆらぎは
舗道のプラタナスの
青い影の上を
過ぎる一匹の黒猫
そのしなやかな足音は
遠く離れた街の路地で
こだまする



*

透明な空に
透明な月が昇る
西から蝗の大群が
やってくる
音一つだにしない
赤い街に



*

きのう
交差点のまんなかで
死んでいた猫に
名前をつけてやった
その晩
遠く海が生まれる場所で
揺れる
百合の夢をみた




未詩・独白 3つの無題 Copyright 青色銀河団 2003-11-01 22:23:42
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