星座
たま
五時間半のパートも毎日つづくと
腕も、足も、腰も痛くなって
お風呂上がりにはからだじゅうに
星を貼って、寝ます
星は、
ツボとよばれるからだの黒点に貼るから
いくつか貼ると
わたしのからだに星座が生まれます
星座は夜空を移動して
朝になると
消えている星もある
それはたいてい枕の下であったり
パジャマの裏に隠れていたりするけれど
ときどき、
貼った覚えのないところに星があって
おどろくこともある
それで、
からだに星座が生まれると
悪さの好きな神さまがやってきて
わたしのからだに憑依するらしい
つまり、
マレビトになるのです
マレビトは生者でもなく、死者でもなく
ヒトのかたちを借りた、神だという
神になったわたしは
暗い空にいて
天使たちに星を分け与えます
時給八百円の天使たちは
下界に舞い降りて
こころに痛みのあるひとを見つけては
星をひとつ
こころのツボに貼るのですが
最近は、とてもいそがしいという
そんな夜が三日ほどつづくと
ようやく、からだじゅうから痛みが消えて
わたしは、
詩を、思い出すことができるのです
詩は、
生者と、死者の、共有する空間に、存在して
おそらく、
マレビトが暇つぶしに描くものではないかと
思うことがあります
だから、夢のなかで
マレビトになったこのわたしが描いた詩を
ヒトにもどって
思い出しては
こうして
ことばを綴るのです
もし、嘘だと思うのでしたら
あなたもからだじゅうに
星を貼って、眠ってみてください
おそくても三日後には
すばらしい詩が、誕生するはずです
お手元に、星がなかったら
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ちなみに
わたしはロイヒのツボ膏です