季節
梅昆布茶
過ぎ去ったものの影を追わないで
思い出の名前を口にしないで
あの日を小瓶に閉じ込めないで
銀の魚は
網の目をくぐって
すべるように消えるもの
手から手へと渡ってゆくものを忘れないで
ドアをあけて通り過ぎる風をさえぎらないで
そして遠ざかってゆくものたちと
残された時間を
地に生える草のように
しっかりとうけとめたいのです
自由詩
季節
Copyright
梅昆布茶
2013-11-27 21:48:17