あんがいね
鵜飼千代子




あんがいね
すっきりしているんだ

ずっとわだかまりだった
何がいけなかったのか
手繰っても
たたみなおしても
「もう一度」と
組み合ってもらえなかった
正解のないわたしの問題

「仮定」を挟んで
解き進んで行った道程は
わたしに生きる力を与えた
困ったら「自分で」することを
覚えたよ

3分でも
ひとりで置いておくのは心配では
ろくろく仕事も出来ないでしょう
喉から手が出るほどやりたい仕事でも
わたしの為に諦めるでしょう

わたしはひとりで居られなかった



あんがいね
すっきりしているんだ

「身体に気を付けて」と言おうとして
「お元気で」と言ってしまった



待つことに疲れたふたりだから
次の予告は無くていい

今から出て来られる?で
いいんだから



育んだ歳月が実らせた果実
成績はつけなくていいでしょう?
いつも話し合っていたから



わたしたちは忘れなかった
いつも
「置いてきた君」を

だからわたしたちは頑張れた
今のところ
そんなに悪くない出来だと
思うんだけど



今回のレポート出すね
1.それぞれの事柄固有の「前提条件」を確認し共有する。

これだけで、
突然仕事を持ち掛けあったり
気晴らしと気付きのきっかけ探検のお茶会でも、
滑ることはないと思うし
時短になる



育んだ果実を否定させない



お茶する時に
ソーサーにスイーツが添えられていたら
それをわたしだと思ってください

わたしは、
ティースプーンを見るたびに
あなたを思います。



あんがいね
すっきりしているんだ

ふわっと
内側から支えられて
知らずに着膨れしていた衣装を
脱がせてもらった気持ちがしている







自由詩 あんがいね Copyright 鵜飼千代子 2013-11-25 21:43:46
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