ただ一度の遭遇の一滴
クナリ
あなたに言葉を伝えたときのほとんどは
誤解を解きたかったり
僕のことをわかって欲しかったりしたときだった
今でも同じ理由であなたに話しかけたくなるときがある
もう今は
届かないけど
空気の話や
他の国の話をすると
それだけで僕の言いたいことのすべてを言い当てて
僕の今の気分とこれからの展望を
すべて言い当てて
得意にもならずに
それが私のいいところなのと笑った
あなたほど自分を大切に思わない人はいない
なのに
あなたほど値打ちのある人はいない
自分の切り売りでしか食べられないと妄信して
言ってはいけないことを誰にでも言った
誰もが誤解した
誰もが夢中だった
誰もあなたの本当をわからなかった
あなたがあなたを一等わからないでいた
わからないまま笑っていた
だから僕にはほんの少し
あなたの本当がわかった
今度会えたら
あなたに
あなたのことを
教えてあげたい。
もう
会えないけれど。