いとなみ
祥希いつみ

 


にわか雨の気配に慌てて
息を切らして
額に汗を滲ませて

は、と息を吐くベランダで
からりと笑う太陽に
力が抜ける

平凡すぎる何かを守ること

小さな願いと
安堵のとなりで
時々、
空しさが様子を伺っているよ

消えそうな陽光を
手早く部屋にとりこんで
やがてぱらぱらと音を立てる
白い線の在り処を探す

絶え間なく
輪郭をなぞることでしか
表せないものがある

両腕の中にある
ほのかな温もりを守るひと




 


自由詩 いとなみ Copyright 祥希いつみ 2013-11-24 14:51:59
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