指 タクト
砂木
心の言葉と 言葉の心
写し身流れ 姿はともる
おりごとの戸の 金具は錆びて
つけかえる鍵 やがてはつきる
のぞきこむ目が 目隠しをする
指文字が消す しめった曇り
息吹きかけて 曇らしのぞむ
冷たい息は この世にはない
知らない事を しるそうとする
形に添って たどり かたどり
割ったら 風のおなぐさみ
目 耳 夢も 両手で塞ぎ
写し身無くし 息してる
凍えた両手に 息吹きかけて
指文字を書く 残らず消える
しるすすべなく 空を流れ
舞い 舞う 舞え
散る事さえもできなくてゆく
銀杏 紅葉 積もった枯れ葉
踏みしめ 蹴散らし 目を瞑る