仮面
小原あき

化粧を落としても
わたしは見えない
そこには
皺と染みの増えた顔があるだけ

わたしはまだ
様々なことに怯え
かたかたと震える
小さな小さな
わたしだというのに

化粧を落としても
もうひとつの仮面が見えるだけで
小さなわたしは
何も変わらずそこにいるのに
仮面だけが
むくむくと変化する

それがないと
わたしは外も歩けないのだ
朝、起き上がることすら
ままならないのだ

わたしは
仮面に
キスをした
仮面の緊張を
ずきずきと感じた






自由詩 仮面 Copyright 小原あき 2013-11-22 20:22:34縦
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