《全行引用詩》
hatena


ナイフがおかれ
消毒剤の匂いがして
手袋をした手が
黒い死骸をいじっている

少年はナイフでわたしを刺しながら
親たちはわたしを虐待しながら
あざ笑うテクノロジーは
はるかに速度をあげて
わたしは
ますます
遅れはじめる

きみのまぶたが痙攣する
きみを みつめル
わたしは、きみと眼触する
スクリーンいっぱいに広がった
きみの虹彩を見つめ-る/らレる

きみの黒いダンスもすこしのあいだしか許さ
れていない
だから 踊るんだ
思いっきり

ダンス、世界を体に入れるための
ダンス、きみと和解しないための

きみの写真、木ぎれ、そしてナイフ
絵のような空の
光の記憶

フレームのなかで振り返る
きみの速度が
ただ新しかった


自由詩 《全行引用詩》 Copyright hatena 2013-11-22 15:33:33
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