黒雲の日
ゴースト(無月野青馬)
「彼女」は
折り重なって眠る自分に出逢おうと
霧深い山道を行きました
自分を断罪するように歩いて行きました
「彼女」は
耳が痛いのです
耳がとても痛いのです
三半規管が機能していない気がしています
バラバラ崩れていく崖
グラグラ揺れ動く魂
「彼女」には
嫌な記憶があります
「彼女」には
嫌な記憶があります
「彼女」は
折り重なって眠る自分に出逢おうと
霧深い山道を行くのです
歩いていくしかないのです
「彼女」は
今日
地獄のような洞穴の中に
黒雲の中にいます
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黒雲詩集