オータムポエム
るるりら



【オータムポエム】

人の本心なんて
点滅し続け点描画のようなもの
ひとつひとつの点は 真摯に刻印された 思いだとしても
鳥が ときどき啄んで
さらってゆくから だれにもわからない こごえるこころ


ころがれば いいんだけれど しだいに沁みつき 黒く闇と なじみはじめる
こんなに こごえていても 心臓が熱をはこんでいるということを思うと
逆鱗の人すら 羨ましくて胸が焼ける


坂道ぞいの家の人が
日が傾くたびに ふとんを移動させて
自分の家より三軒向こうまで布団を移動させている
おひさまを あつめようとする 邪気のない こころを
わたしは どうして わすれていたのだろう

オータムポエムの花が咲いている
坂道をくだった家の軒先に まるで春のように薹立ちして
皺だらけの顔に 夕日があたる 
ポエムのように笑える そういう夕日があるなら
どんなことを うしなっても きっと ゆるされる



携帯写真+詩 オータムポエム Copyright るるりら 2013-11-22 01:21:01
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