2012年、青森の港で
番田
誰もこの道を通るものはいない
帰りのおぼろげに浮かぶ道を思う
だけどそれは たどりつくには遠すぎる道
そして歩いていた この疲れ果てた体だけが
遠くに消えかけた防波堤 その縁に
黒い船がもうすぐ着く頃だろう やがて
対岸の 釧路に降り立ち
清掃の仕事に僕は従事する
公衆便所のその窓に
吹きすさぶ白い風景の 雪
月日が立ち止まる間もなく流れていく
そしてあの船で僕の体はまた運ばれていく
自由詩
2012年、青森の港で
Copyright
番田
2013-11-22 00:32:16
縦