饒舌な静寂
草野大悟2

饒舌な静寂が夜を駆けぬけるとき
爆弾をしかけ
100000000の顔を吹き飛ばした奴は
3Dコピーで100000000の自分の顔を創り
すげ替える

100000000の静寂は
一瞬だけ自分の顔の記憶を思い浮かべ
それは
幻であった、と
饒舌のなかに溶かし込んで
朝に欲情する

夜を駆ける饒舌な静寂は
この国が
近い将来
ミサイルを飛ばそうとしていることに気付いた

闘うべき赤鬼は
もう
きび団子の英雄には
倒すことはできないほど
巨大化していることにも

一寸法師が

ミクロの船を操り
赤鬼の体内に潜り込んで
どくどくと脈打つ心臓に向かって
放射能木綿針の矢を放つ


自由詩 饒舌な静寂 Copyright 草野大悟2 2013-11-21 22:23:03
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