lid
mizunomadoka

雨は雪になり2週間降り続けた
そこから先は灰だった

手のひらで溶けることのない
真っ白な灰は
強く握っても固まらなかった

光をほとんど通さない厚い雲
沈んでいく石の群れ

影が生まれないほど低く
深く消えていく都市

誰かいませんか。生きていませんか?
帰ってくるのは自分のエコーだけ

床板を外し
緑でもブルーでもない肌色の土を
すこしだけ食べる

シェルターの数字は6






自由詩 lid Copyright mizunomadoka 2013-11-19 14:26:06
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