月形半分子


私のなかにある悪は
時おり人に石を投げつける
それはどんな惨さか
それはいったいなんの憎悪か
私のなかの悪は
時おり両手に盗みをそそのかす
それはどんな貧しさか
それはいったいなんの卑しさか
私のなかの悪は
時おり人に嘘をつく
それはなんの弱さか
それはいったいどんな毒なのか


私のなかに悪はこんなに多いのに
私のなかにある善は
私に耐えることしか教えない
たったひとつの雪が
この世界を真っ白に染めるように
私のなかに善はひとつ




自由詩Copyright 月形半分子 2013-11-19 01:13:42
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