捨てられたもの
清水らくは

夕闇に光る一点を
名も知らぬ惑星だと決めつけていた
瞬きが眩しすぎて
直視するのを諦めていた
けれども今 感じる
あれは僕たちが
諦めてしまった未来
届きたかった希望

一つ言い訳をする度に
可能性を空に投げた
無限に近い宇宙に
後ろめたさを捨ててきたのだ
皆で笑いながら
本当は苦笑しながら
光を投げ続けてきたのだ

未来はこの時に留まり
ずっと待っていた
僕たちは気付かずに
あそこまで大きくしてしまった
いつかこの星を飲み込んで
僕たちを溺れさせることだろう
穢れない未来に焼かれて
現在に固着されるのだろう

かろうじて残ったこの胸の光を
強く強く握りしめた
少しだけ星の光が
弱まった気がした
夜が深くなった


自由詩 捨てられたもの Copyright 清水らくは 2013-11-18 08:32:50
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