海月ー2
……とある蛙

※「松島の月まづ心にかかりて」芭蕉

  ー崖の上から延びる松の枝
      その先に見える月と海

回復できないクラゲが漂う水面に
揺らめいているのは風の溜息か
天空にはクラゲの昇天した
月の光が揺らめく

月は落下せずに 天空を漂う
光の揺らめいているのは大気のズレ
海面には落下したのは月の死骸か形骸か
海月と月球は無限にループする

月の揺らめきは地上の瓦解を知らず
海面を漂う月の揺らめき
海月の昇天し松の枝の先
天上に朱く輝く海月の命

湾の静止した水面を見つめる男
幻惑されて目が眩み
海月の影を月と呼び
水面に漂う月を飲み干す

っと
水面にはらりと
雪が一片


自由詩 海月ー2 Copyright ……とある蛙 2013-11-15 17:05:03
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