ふたり
鵜飼千代子




わたしたちは
ふたり

いつも別々

ふたりのわたしたちは
ひとつになる試みもしたけれど、

きっと
その時は気付いていなかった
けれど
ひとつになるのは
窮屈だったのかもしれないね



ふたり
わたしたちは
ふたり



歳月がふたりのそれぞれに
様々な仲間を育んだ

たまに意見が違うところが
まだ先を探る糸口のようで
心地好い仲間たち

仲間の着ぐるみを着た
能弁なお客様もいたりしたり



わたしたちはふたり

ふたりはいつも無意識に
見つめあっている



ふたりは違って
噛み合うとギアのように
出力するから



もうとっくに
自分たちの中に理想のふたりは
住んでいるのだけれど



ふたり

ふたり

本当のふたりは
まだまだ
忘れ物があるかのようで



冬の木立の
枯れ葉の下で
春を待つ息吹を感じたよ



なんでもいいから
芽を出して

会いたい







自由詩 ふたり Copyright 鵜飼千代子 2013-11-14 15:14:53
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