雪解けの靴
クナリ


新しい季節になったので、
しまいこんでいた靴を
取り出した。

かかとに葉の切れ端が
付いていたので、
つまんで取った。

なぜしまう前に
洗わなかったのかを
考えていたら、
あのころさよならした
人のことを
思い出した。


ああ、そうだ、
あのころのわたしは
それどころでは
なかった。

今日はようやく、
この靴をはく。



自由詩 雪解けの靴 Copyright クナリ 2013-11-10 19:34:34
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