草笛
粉末

除草剤をまくために
貴族のサロンでは集会
目を盗み生えてくる
名前はいらない草たち
花の散る間も与えず
花の色もわからず
せめてメネデールを
さよならには刺激的な味

急勾配の坂にひっそり
散華なくこっそり
自立した草になれなかった
草はくず折れ萎れた先を想う
風通しのいい身体
そよ風に露にされたら
鳴けるだけ鳴きたい
新しい草みたいに


自由詩 草笛 Copyright 粉末 2013-11-09 16:06:17
notebook Home 戻る  過去 未来