彼岸花 
bookofheaven

彼岸花 ?

猫に噛まれそうになって 怖かったの?
そんなに真っ白になって
無邪気なあのこの手が触れたから
あのこの肌の色をうつしたの?
誰かの不幸を嘆きすぎて
熱い血潮を欲しがるかなたの誰かに
せめてその色を捧げたの?
お前の赤はわたしのそれより
かなたから帰る人には優しいのだろうか。
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彼岸花?

安らかに眠る人々を
それは癒やす色なのか
夏の終わりの陽にも染まらず
揺れる白き彼岸花
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彼岸花?

今日は雨になるのか
白い花弁の先が重く地面を見つめている
榊の色もくすんでいるか
何よりお山が沈んでいる
小山は背負ったクモが重そうだ
きっとあまつぶがこんもり入ってるんだろう
今日は雨になりそうだ
早く早く 雨になれ
みんなそれぞれの抱えてるものを振り落として
青空ながめて ほっとしよう



自由詩 彼岸花  Copyright bookofheaven 2013-11-07 10:24:25
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