答え合わせ
nonya
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ
やがて世界の端は
ずぶずぶと闇に沈みこみ
沈黙の中にありありと
取り残された僕の耳元に
時計の針がチクタクと
孤独を縫いつけていく
一日分の答え合わせは
なかなか終わらない
言わない方が良かった言葉に
うしろめたいサンカクをつけて
読めなかった空気の後味に
なかなかバッテンがつけられず
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打ったその先で
本当の正しさなんて
何処にもないんじゃないかと
思い至る前に
朝はやって来てしまう
僕は仕方なく
背中にアカテンを貼りつけたまま
難解な問題集の中へ
歩き出す