月明かり
藤鈴呼

あなたの居ない世界で
必死に 生きようと していた

昔 考えた 真っ赤な嘘は
キャベツの中に 隠されて
戸惑うばかりの 散歩道

暗く 儚く はしたない
切れ端ばかりを 集めて
一着の 巾着を 作った

中には 何かを 入れようと
思ったのだけれど

薄れて行く 風景に
もう 何も
思い出せなく なって しまった

あなたの居ない世界は
想像すると 真っ暗闇

実際に 訪れて 見ると
瞳が 霞んで しまったのか
太陽が 見えて しまったのか

知らぬ 驚き
隠された 灯

何が 原因なのかは 
分からないのだけれど

確かに 此処は 明るくて
皆が 個々に 輝いて居た

四角い枠に 包まれた笑顔に
私は 微笑む資格が 有るのだろうかと

死角となった 街角で 
震えながら 祈る

いつまでも 月明かりに
照らされますように と
本気で 祈った

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自由詩 月明かり Copyright 藤鈴呼 2013-11-02 15:17:23
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